- VOL.110 冨岡 光佑 さん 36歳
- 今回は、タクシードライバーから転職された冨岡さんにお話を伺いました。
-軽貨物のお仕事を始めてどのくらいになりますか?
冨岡さん11か月経ちまして、そろそろ1年になります。
-その前はどんな仕事をされていましたか?
冨岡さんタクシードライバーをやっていました。完全な歩合ではなく基本給はありましたが、ノルマを達成しないとお給料が増えない仕組みでした。でも、コロナ禍の影響でお客様も少なくて収入的に厳しく、まとまったお金が稼ぎたいと思って転職しました。
-軽貨物は未経験とのことでしたが、始めるにあたってご自分で調べましたか?
冨岡さん実際に軽貨物をやっている方のネット動画とか、色々見ました。良いことも良くないことも色々な情報があったのですが、全部を鵜呑みにはせず、この仕事が続く人はどういう人で、続かない人はどういう人なのかなど、自分なりに分析しながら見ていました。
-面接は物流時代以外にも何社か受けたのですか?
冨岡さん軽貨物に関しては物流時代一本でした。面接のときに、良い話ばかりではなくて、大変なところも含めてきちんと教えてくださいましたので、とても信用ができるなと思いまして、物流時代を選びました。
-契約してから現場に出るまでの期間はどのくらいかかりましたか?
冨岡さん車両も家も用意してもらったのですが、2週間前後でスタートできました。とにかくお金を稼ぎたいという希望を伝えたところ、それならば都内に来たほうが良いということで、費用を補助してもらえたので、すぐに引越しもできました。
-研修はどんなスタイルでしたか?
冨岡さん物流時代のドライバーさんの横乗りで、最初は助手席に乗ってやり方を教えてもらって、途中から運転交代して教えてもらいながら3日間ほどやってみました。見ているだけより、自分でやったほうが覚えられるなと思ったのですぐにやらせてもらいました。
-始める前に想像していたことと違ったことはありますか?
冨岡さんマニュアルがないことですね。例えば荷物の積み方も、色んな人がいろんなやり方をしているし、セオリーがあったとしても、自分の担当エリアのお客様や道路事情などに合った積み方があることに気づきましたね。事前にネットで勉強していたことが役に立たないな、と(笑)。
-どれぐらいのペースで配達個数は増えていきましたか?
冨岡さん初めは一日80個くらいでヒーヒー言っていたので、本当に100個できるようになるのかな、と思っていました。荷物を探すのに時間かかったり、ルートを決められなかったりと時間のロスもありました。でも、試行錯誤している間に気が付くと道を覚えていて、2か月過ぎて3か月目くらいからだんだん早くなってきました。目に見えてできるようになってきましたし、収入も増えてきて、仕事が楽しくなってきました。
-宅配はサービス業の要素もありますが、接客の面でご苦労はありませんか?
冨岡さん気持ちの持ちようなのですが、逆の立場、自分が荷物を受け取る側で考えたら、どうされると気持ち良く受け取れるかを考えています。例えば、時間指定ギリギリに配達した時、「今日来ないかと思った」と言われたこともあります。配達を待ち望んでいた荷物だったらそう思うのも当然だなと思いました。荷物を見たらある程度想像がつくので、これは優先したほうがいいのかな、とか、会社宛ての荷物だったらお仕事の締めの時間を想像してそれに間に合うように行きますし、お子様がいるご家庭なら寝ているかもしれないので遅い時間に行かないようにするとか。それと、次回の配達に行かせるように、お客様の事情を自分なりにノートにまとめておくようにしています。
-勉強熱心ですね。マニュアルもないですし、お客様の情報は個人情報ですから前任者からも引き継げないですものね。
冨岡さん前任者ができていた人だったのですごく比較されましたし、プレッシャーでした(笑)。でも、周りの方もフォローしてくれまして、最近は周りを助けられるくらいになってきました。今では平均して一日180個くらい、多いときは200個以上の荷物を配達できるようになってきました。
-たくさんの配達をされていますが、どんな工夫をされていますか?
冨岡さん私はお客様不在による荷物の持ち戻りが少ないと、他のドライバーからも驚かれるのですが、不在票の書き方ひとつでもお客様目線を大事にしています。例えば「〇〇様からの贈り物です」と書いておくことでお客様としても早く受け取る必要を感じてくださいますし、「21時までにこちらの番号まで連絡いただければ伺いますので直接連絡ください」と書き添えて、自分の連絡先を赤文字で強調しておくと、お客様もどこに連絡すればいいか迷わないで済みます。分かりやすく、見やすくすることを意識しています。
-この仕事でやっていけるなと手応えを感じるようになってきたのはいつごろですか?
冨岡さん半年くらいして、手応えを感じてきました。任される仕事量や内容が変わってきました。一般の宅配だけじゃなく、集荷や商業貨物、引越しの荷物なども任されるようになってきました。時間的に余裕もできてきて、自分からも荷物をもらう動きができるようになってきました。
-今後の目標や目標となる方はいますか?
冨岡さん数というよりは、気持ちよく相手に受け取ってもらえるようにするのが一番。時間指定を守るのもそうですが、感謝してもらえるようになれればと。お客様から覚えてもらえるようになると嬉しいです。「いつものドライバーさんだ!」とお子さんが顔を覚えてくれたときとか。私が持ってきてくれてよかったって思ってもらえるようになることが目標ですね。