VOL.114 阿部 誠さん|物流時代 DRIVER'S INTERVIEW
VOL.114 阿部 誠 さん 46歳
今回は、建築業から転職された阿部さんにお話を伺いました。
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軽貨物を始めてどのくらいですか。

阿部さんちょうど5年経ったところです。ずっと物流時代でやっています。

前職はどんな仕事をしていましたか。

阿部さん建築の現場仕事をやっていました。東京オリンピック前でひどく忙しかったのですが、会社によっては淘汰が始まってガクッと落ち始めたころ、小さな会社が吸収されるというなかに私のいた会社も入っていて。それを機に辞めて他を探そうと。

転職するにあたり最初から軽貨物をやろうと思っていたのですか。

阿部さん最初は軽貨物を考えていたわけではないです。でも、車の運転がいいかなと思って、大型免許取ろうかとか考えて配送業の求人の検索をすると常に軽貨物が出てきて。だんだん気になってきて、大型免許も要らないし、妻からも「とりあえず行ってみれば」と言われたのがきっかけで軽貨物をやってみようとなりました。

面接で説明を受けての疑問や、拘束時間が長いことへの不安はありませんでしたか、

阿部さんそこはあまり感じませんでした。大丈夫だろうと。それよりも、やった分だけ収入が増えるというのが魅力でした。


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これまでの5年間で担当された業務を教えてください。

阿部さん物流時代さんに入って最初の半年はY社さんの宅配の委託でした。ですが物量が減ってきて委託ドライバーの仕事が減ってきたときに、会社と相談したらS社さんの宅配の仕事に移らないかとお話があり、それからずっと続けています。

現場が変わったことで戸惑いはありませんでしたか。

阿部さん戸惑いよりもやれる数が増えるな、というほうが大きかったです。商業貨物もあれば代引の荷物もありますので。4年以上経って、物量は圧倒的に今のほうが多いです。

一日の物量はどのくらいですか。

阿部さん朝の持出個数で150個から160個あります。一日で多いときは200個行きます。良いコースをいただいたと思っています。

長くやっているとお客様の顔も覚えられて、安定してお仕事出来ていますよね。

阿部さん長くやっているので、どのお客様が何時頃にご在宅されているかも把握できていますし。道端で顔見知りのお客様に会ったときには「何時頃に帰るから」って言っていただけることもあります。


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宅配ドライバーって地域に密着したお仕事で、警察や行政の方よりも地域の方と接する機会が多いくらいですよね。

阿部さんずっと一日中同じエリアを回っているので、何か変わったことがあるとすぐに気づきます。たまにあるのですが、例えばバイクに鍵つけっぱなしのお客様がいたときには、心配なので声をかけて差し上げるといったこともあります。

最初のうちはどんなことで悩まれましたか。

阿部さん宅配では地図を覚えることが大変と言われますが、もともと道を覚えるのは早いほうなので、大変だという感覚はなかったですね。
悩んだのは不在が多かったことです。でも結局、回っているうちにお客様との人間関係が築けて、在宅時間帯が分かるようになって解消されていきました。

これは習得するのに時間かかったな、ということはありますか。

阿部さん今でもそうなのですが、危ない運転をしている車や自転車がいたときに、イライラしないことです。気持ちが荒れてくると仕事が回らなくなるので。何があっても「怒らない、怒らない」と自分に言い聞かせて、平常心を保つよう心掛けています。住宅街なので自分が停める場所にも気を付けながらやっています。


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転職してよかったと思ったことはありますか。

阿部さん一番良かったのは、全部ではないですが荷物を届けたときにすごく喜ばれることですね。この仕事を始めてすぐの頃、ランドセルを届けたときの親御さんとお子様の喜ばれる姿を見たときに、「ああ、いい仕事だな」って思いました。

物流時代からのサポートはどんなことをしてもらっていますか。

阿部さん車両をレンタルしているのですが、車に不調があったときに連絡入れると、対応がものすごく早いのでびっくりしています(笑)。故障しそうなときもすぐに対応してもらえるので、助かります。

何歳までこのお仕事を続けていこうとお考えですか。

阿部さんたまに考える時があるのですが、同じエリアにいる他社のドライバーさんで70歳を超えている方がいるのですが、私よりちょっと少ないくらいの数をこなしている人がいるので、すごいなと(笑)。何十年もやっているそうなのですが。これはちょっとへこたれていられないなと思って、何歳までとは考えないようにしています。


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お仕事に対するモチベーションをどのように保たれていますか。

阿部さん一日の大半をコースの中で過ごすので、そこで楽しみを探していくところがあります。例えば、配達先のお子様の成長を見るのも楽しみになってきます。知らず知らずのうちにお名前も覚えていきますし。
荷物を届けたときに小さなお子様がいらっしゃると、受領のハンコを押したがるのですよね。親御さんは時間がかかるので止めようとされるときも、私はしゃがんで「ここに押してね」ってハンコをもらいます。そういうときのお子様の笑顔が楽しみなので。どんなに忙しくても心がリセットされます。

いろんな方との触れ合いを大切にされていますね。

阿部さん前の建築の仕事では施主様と会うこともあまりなかったので、それと比べると仕事している中でお客様に喜んでもらえるのは心の支えになるし糧になります。
他の宅配会社のドライバーさんとも、駐車場所とかの情報交換をしたりします。マンションの管理人さんとも仲良くして、駐車場所を教えてもらったり、宅配ボックスの操作を教えてもらったりしています。地域の中でいろんな人との触れ合いがあるのが楽しみですし、やりがいですね。