－うまくいかなかったとき、気持ちの切り替えはスムーズにできましたか。

小向さん最初のころは気持ちを引きずったというのはありましたね。でも、周りの委託ドライバーに話したら、「自分はもっとひどい経験をしたよ」と言ってもらえたりして、気持ちが軽くなりました。私は、人に聞いてもらいたいタイプなので、話を聞いてもらえたのは良かったです。

新型コロナ収まっても荷物は増えている

－実際に働いてみて、思っていたのと違ったということはありましたか。

小向さん特にそういうことはなかったです。ただ、私自身はもともと宅配便を頼む方ではなかったので、１つの町会でこれだけ多くの荷物があるのかというのはびっくりしました。

－新型コロナが収束して、荷物量に変化はありますか。

小向さん私の担当地域は、新しい建物が建っていることもあり、荷物は増えてはいると思います。ただ、在宅勤務から出社勤務に戻られたのか、今までいつも在宅されていた方が不在になったな、というのは感じています。

－接客で気を付けていることはありますか。

小向さん2年以上ずっと同じコースなので、顔なじみのお客様が多いです。配達時間もあるのであまり世間話はしませんが、声かけてくださるのはうれしいですね。ご苦労様とか、寒いのにありがとうとか、道で会ったときに手を振っていただいたりとか。

－荷主の会社やお客様から求められることは、ここ数年で変わったと感じることはありますか。

小向さん全員宛の注意喚起のメールは飛んできますが、個人的に言われたことはない。接客自体はそんなに悪くないと思っているので。

会社勤めよりもストレスが激減、健康になった

－製造業というとそんなに接客のお仕事というイメージはないですが。

小向さん私は品質管理という業務をやっていて、外部と接する機会もありました。お客さんに頭を下げに行くこともあって、謝るのは慣れていたので(笑)前職の経験が生きているところはあります。

－たしかに、小向さんには対人関係が苦手という印象はないですね。

小向さん実は会社勤めしているときは対人関係でストレスがありました。それで苦しくなったということもありました。今この仕事をしていて、例えば今日は何かあったとしても、次の日には忘れているというか、その人と毎日仕事をするわけではないので、一日のストレスはあるけど次の日には忘れているというのが、大きく変わりました。

－気分的に全然違いますよね。

小向さん私の場合、役職的に上のほうにまで行っていたこともあり、上と下からのプレッシャーがあったのですが、今はそういうのもないので。気持ちも楽になりましたし、体調もよくなりました。会社勤めのときは、体調も崩して会社行きたくないなと思うこともありましたが、今はそういうことは全くなくなりましたし、体重も軽くなって、病院も行かなくなりました。

－どのくらいの期間で、どのくらい痩せられましたか。

小向さん会社勤めのころは指示する側に回っていたので、動くことがなく太っていました。正直自分では気づかなかったのですが、半年で15キロくらい痩せました。友人からは「病気？大丈夫か？」と心配されましたが、むしろカゼ一つひかなくなりました。

－健康維持のためにやっていることはありますか。

小向さんまったくありません。仕事だけです。会社勤めのころより、お酒は飲むようになりました。次の日があるので、沢山は飲みませんが。軽く飲むことで気持ちがリセットされています。毎日、目の前の仕事で忙しいことも、余計なことを考えずに済んでいるので、いいのかなと思っています。

職場の最年長は74歳、励みになります

－委託ドライバーさん同士、横の連携はありますか。

小向さんうちの班は仲良くやっていますし、連携は取れていますね。社員さんとの関係でも特にストレスは感じないですし、ドッキングで顔を合わせることはありますが、結局配達は一人でやっているので。

－一日の配達個数はどのくらいですか。

小向さん始めたころは一日50個くらいでした。今は、普段は一日120個くらいで少ないほうですが、多い日は170個くらいになります。日曜日は他のコースの荷物を扱うので、荷物も移動距離も多くなります。

－もうすこし数やってみたいと思いますか。

小向さん自分で決められるものではないのですが、アベレージで一日150個くらいあるといいですね。

－この仕事を何歳まで続けたいと思っていますか。

小向さん特に決めてはいませんが、健康で働ける間はやっていきたいですね。私の知っている中では、74歳でもやっている方もいます。お水とかも重いといいながらも運んでいらっしゃるので、励みになります。